A17:有責配偶者からの離婚請求は、原則として認められていません。
自分が不貞を犯し、それによって婚姻関係を破綻させた配偶者(有責配偶者)でも、他方の配偶者に離婚の協議を申し込み、あるいは家庭裁判所に離婚調停を申し立て、合意ができれば離婚することが出来ます。
しかし、他方の配偶者が、離婚に応じない場合には、協議離婚ないし、調停離婚は出来ないので、あくまで離婚を求めるには地方裁判所へ離婚訴訟を起こすことになります。
裁判上、離婚が認められる理由は法定化されていますが、結婚生活を維持しがたいほど夫婦関係が破綻しているような場合には、離婚を認めています。
最近まで、最高裁は一貫して有責配偶者の離婚請求を認めない態度をとってきました。しかし、近年、夫婦関係における破綻の事実を直視する立場から、一定の条件のもとで有責配偶者からの離婚請求を認めようとする論議が活発になり、地裁、高裁の裁判例の中には、別居が20年、30年にも及び、事実上は離婚状態で、戸籍上でのみ夫婦として残っている場合に、有責配偶者からの離婚請求を認めるものが出てきました。
そして、最高裁も夫婦の婚姻関係が、共同生活の実体を失い回復の見込みがなくなった場合に、「別居が相当の期間になり」、「未成熟の子供がなく」、「離婚になっても相手方が精神的経済的に苛酷な状態に置かれない」等、離婚を容認することが著しく社会正義に反するような特別な事情が無ければ、有責配偶者からの離婚請求を認めてもよいと判断しました。 |